目標を達成した生徒の歩みを振り返る[中学生:数学編]

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CHOICE!!平野です。

後期中間試験が終了し、結果がぞくぞくと返却されております。私としてはドキドキする日々を過ごしています。

さて、夏ごろから中2生の入塾者が増えております。ほとんどの人が1年生の頃はそこそこできたのに徐々に点数が落ちてきて危機感を感じてCHOICE!!に相談に来るといった方です。

そして、入塾してしばらく時間が経過し、入塾前と比較して20点伸びるなど、目標を達成できている生徒が増えてきました。

誤解を恐れずに言うと、細かな違いはあれど、同じような悩みを抱えていて、同じような指導によって解決しているケースが多いと感じています。

今回は一つの例として、そのような生徒への指導方法を振り返りながら、みなさんにCHOICE!!の指導方法を共有したいと思います。

基本情報

中2・男子

入塾前(中1):数学60点ぐらい(平均点よりー10点からー15点ぐらいだったと聞いています。)

今回(中211月):数学81点(平均+25点)

入塾時期が6月、約5ヶ月で約20点伸びました。

入塾当初、彼は70点ぐらいあれば満足できると言っていたのですが、勉強を進めていくうちに「先生!今回のテストで80点目指したい!」と言って、今回みごと目標を達成させました。

入塾前

中1の途中までは別の塾に通っていた経験もあり、そこで成果がでないだけでなく、先生と歯車が合わず、「こんなこともわからないのか」と叱られた経験もあり、徐々に勉強から距離を置くようになってしまったそうです。

彼は野球を熱心に取り組んでおり、学外のクラブに所属しているため、テスト1週間前でも関係なく練習や試合をこなしており、他の学内の部活に所属している人よりもテスト前の勉強時間の確保が難しい状況でした。

 

初期指導方針

「できないことから目を背けて、できること(趣味)だけやろう」みたいな気持ちがあると感じました。しかし、原因は「先生への不信感」→「勉強から距離を置く」→「できなくなる」→「もっと勉強から距離を置く」といった負のスパイラルに陥っていることだと仮定を立てて指導方針を決めました。

「先生は君の目標を達成するための見方なんだよ」「わからないことがあっても理不尽に怒ったりしないよ」ということを伝える必要がありました。口で伝えるだけでは不十分ですので、行動で示していこうと決めました。

まず私が行ったことは、先取り授業です。つまり、「明日の学校の授業をわかる・できるようにする」ことです。

本来なら、中1のやり残しも多くあると推測されるので、そこから埋めていきたい気持ちもあるのですが、即効性がないため、せっかく「塾に行ってもいいかな…」という気持ちになってくれたのに成果が見えないと感じてしまい、また勉強から距離を置いてしまうかもしれないと思いました。

なので、多少の荒さはあっても明日の学校の授業を受けて、「あれ?これ知ってる!」「あれ?これ分かるかも!」という感覚を徐々に積み上げていくことを初期の目標としました。

先取り授業

「わかる」「できる」と思えるようになれば徐々に勉強が苦じゃなくなってきますので、勉強量も少しずつ増やしていけました。

自宅学習のクオリティを向上

CHOICE!!では、生徒の勉強量の上限を本人と相談しながら宿題を出しています。当然ですが、この宿題のクオリティによって学習成果は大きく変わります。ここで言うクオリティは「正答数の多さ」だけでは測れません。

宿題を通して自分の現在地点を自分自身で把握できているか

言い換えると、『「わからない」ことを自分で「わかっている」』かということです。

間違えた問題はもちろんですが、正解できていたけど実はなぜその解き方をするのか聞かれたら答えられないということが結構あります。そう言った問題が少し変化してテストに出題されると、ほぼ間違いなく不正解になります。後で実はあの問題の類題だったんだと気づくわけです。

話を戻します。

実は彼も宿題を取り組む中で、正解したけどよくわかっていない問題が少しずつ増えていました。それでも、勉強量が増えて以前よりは解ける問題数が増えたので、入塾後最初のテストでは69点をとることができました。

そこで、次のテストに向けて日常の勉強(宿題)のクオリティを上げていこうという指示をしました。丸つけの意味は、正解・不正解を見るためや、先生に提出するためだけにするものではないことを意識付けして、「わからない問題」・「ちょっとでも解法に不安がある」ものを授業のときにすべて伝えてもらうようにしました。

当たり前のような話かもしれませんが、勉強に対して前向きになれない生徒にとっては、宿題や丸つけはただの作業ですし、生徒によっては答えを書き写すこともあります。

大切なのはタイミングです。

まずは、少し勉強をして、少しでも結果が出れば、「もうちょっとやってみようかな」という気持ちになります。そのタイミングで宿題の取り組み方をアドバイスすることで効果が得られるのです。

正論を言えば人が動くわけではないのです。

テスト2週間前からの学習計画

普段の勉強でもしっかりと「わかる・できること」と「わからない・不安なこと」を分類し、授業で可能な限り不安材料を潰していくサイクルができれば、テスト前の計画も楽になります。

CHOICE!!では2週間前から目標設定面談を行い、受講していない科目も含めた5科目全体の勉強計画を生徒主体で行います。(生徒によってはまずは1科目だけとか3科目だけの計画を立ててもらう場合もあります。)

その計画を私が見て、質問をします。「この日の勉強時間5時間だけど、本当にできそう?」とか「この日のページ数はこんだけしかやらないけど間に合う?」など、私が「こうしなさい!!」と押しつけるようなスタイルではなく、質問ベースで生徒本人の意思と気づきによって計画を組み上げていきます。その方がテスト後に自分で振り返り、改善しやすいからです。

彼の場合は、まず最初のテストでは数学の1科目だけ、そして今回は英語・国語・数学の3科目の勉強計画を立ててもらいました。

数学に関しては、普段の勉強で優先的に解くべき問題とそうではない問題の分類ができていますので、テスト直前期にやるべきことがはっきりしています。時間的にも他の科目より勉強量は少なくても済みますので、余裕があります。

なので、その空いた時間で英語や国語の勉強をすることにしました。実は英語も国語もほとんど勉強したことがなく、どのようにテスト前に勉強すればよいか右も左もわからない状況だったので、学習方法をレクチャーしました。

 

目標を達成し、さらに欲がでてきた

このような経緯で彼は目標としていた数学80点を超えました。しかも、英語も43点→63点、国語も56点→63点と受講していない科目でも点数が向上しました。

入塾当時は「数学70点とれたらいい」と言っていたのに、次は80点超えたい、英語も国語も次は頑張りたい、と徐々に勉強に対して欲が出てきました。

振り返ってみると、ただ単純に自信がなかっただけだと思います。「努力したけど結果が出なかった、悔しいから次はもっと頑張る」と思える人は素晴らしいメンタリティを持っていると思いますが、世の中のほとんどの人はそうは思えませんよね。

彼も、一度は努力したけど結果が出ずに自信を失っていただけなのかもしれません。そしてCHOICE!!に来る子供たちのほとんどが同じような状況にいました。

残念ながら、このような子供たちの全員が大きく結果を出せているかと言うとそうではありません。私も日々子供たちと向き合い、もっと成長が必要だと感じております。

以上、振り返りでした。